Marc Sway

Marc Sway

ミュージシャン

2016/03/09

チューリッヒ

スイスのミュージシャンであるマーク・スウェイは、美しさと機能性を兼ね備えているという意味で、音楽とデザインは結びつくものと考えています。オーディション番組「Voice-of-Switzerland」の審査員をしていますが、意識的に仕事とプライベートを自宅で両立させるようにしています。チューリッヒにあるこの美しい家は、マークの愛する音楽で満たされているだけでなく、美意識の高さも感じられます。飽きのこないデザインを理想とするため、常にデザイン性のなかに機能性を追及しています。作品を創造するには、頭の中が直感的でいながらも混沌とした状態が必要とされるため、部屋は実用的かつ整然としていなければなりません。

ご自宅で仕事とプライベートを両立させていますね。これは意識的に決定したことですか?

はい、かなり意識しました。仕事をしながら子供たちと一緒に過ごすことができますから。でも同時に、曲のアイデアが浮かんだ時にすぐにスタジオに行くことができます。真夜中でもそれが可能です。「ミューズ(音楽の神)」は、いつおりてくるかわかりませんから。

作品のどの部分が家のスタジオで作られるのですか?

ここでは主に音楽が製作されます。作詞も、同時進行で進められます。

使用されている家具はとても少ないのですね。

はい、家具は少なければ少ないほどいい。USMの家具なら、ミニマリズムが実現できます。

“音楽が感情を呼び覚ますときに、はじめて音楽は機能します。デザインもそれと同じです”

どうしてUSMの家具を購入することにしたのですか?

USMの家具は非常に実用的でシンプルだからです。持っているこまごまとした機器を中に収納して、結束バンドでケーブルがぐちゃぐちゃにならないようにしています。私の頭の中はクリエイティブなカオス状態になりますが、これは私の音楽制作にとってはなくてはならないものなのです。そのため、身の周りの物は実用的で整頓されている必要があるのです。

この収納のドアの凹凸はちょっと珍しいですね。

私はUSMのオプションアイテムが充実しているところを高く評価しています。吸音材を挟み込んだドアパネルを前面に取り付けることでドアは音を吸収し、部屋のオーディオ環境を最適なものにしてくれます。デザイン自体も実用的であるところがとてもすばらしいと思っています。これは、USMの美学と機能性が細部にまで融合している証であり、USMの魅力のひとつです。

スピーカースタンドもUSMのものですか?

これはサイズを細かく測って作ったスタンドです。私はディテールが凝っていて、はっきりしたデザインが好きなんです。オーディオボックスと一体化できる家具は滅多にお目にかかれません。ちなみに、最後のツアーではUSMで演奏をするんです。これを機会に、パンタロン(鍵盤楽器)奏者のためにシックな家具を購入したいと思っています。ボール、チューブ、パネル、この3つの基本的なパーツだけで構成できる家具というのはすごいです。

スタジオ以外に、音楽に対するあなたの愛情はどこで感じることができますか?

私は音楽とともに生活していますから、家の中でも音楽に満たされています。お気に入りはBowers & Wilkinsのスピーカーが置かれているリビングルームです。朝はボサノバを聞いています。スピーカーは、白いUSMサイドボードにマッチして本当に美しいです。夜遅く家族が眠っているときには、Sennheiserのヘッドフォンを使用します。家族が使用しているハイエンドの製品ともなかなかうまくなじんでいます。

サイドボードをターコイズカラーのカップボードと組み合わせたのは意識的なものですか?

サイドボードは、子供の部屋と合わせました。工業的な金属と木との組み合わせのコントラストが美しく、白いUSMの家具は私のお気に入りです。驚くべきことに、相反するものが突然調和することがあります。デザインと音楽は共通性を持っています。

ハーモニーは常に美しさを備えています。音楽はあなたにとって美的なものですか?

音楽は美的であって、どの曲もデザイン性を兼ね備えてえています。言葉とメロディーがひとつの作品を作り上げます。その後、さらに細部が洗練され、美しさが形成され、時には意図的にバランスを崩すことでさらに美しさが際立つことがあります。

マークは蝶ネクタイ、眼鏡、そして大切なアクセントとなるアクセサリーを集めています。

機能面ではどうですか?音楽は機能すべきと思いますか?

音楽が感情を呼び覚ますときに、はじめて音楽は機能します。それが音楽の真骨頂です。デザインもそれと同じです。イームズチェア、バルセロナチェア、ル・コルビジェ、これらすべてはクラシックでありながら、未だになお、その機能性を失っていません。間違いなくUSMもそのひとつです。

多文化で音楽のある世界で成長しましたね。ご両親は、あなたが音楽の道に進むことをサポートされていましたか?

母はブラジル人で、父はスイス人です。音楽は私たちの共通言語なのです。私は母親からサンバとボサノバのソウルを、父親からはソウルミュージックとロックの情熱を受け継ぎました。音楽へアプローチするのは非常に容易な半面、同時にそれは複雑でもあります。

なぜですか?

クラシックなシンガーソングライターでありながら、燃えるようなブラジルのリズムも受け継いでいる。私は本能で、音楽の本質に迫ろうとしているのです。明確な音楽のアイデンティティを定義するというのは興味深いですが、非常に難しいことです。

“USMのデザイン性と機能性が細部にまで融合されている証であり、魅力のひとつです”

とても直観的ですね。新しい曲にはどのようにしてアプローチするのですか?

いつもはスタジオに入って、バンドメンバーと適当に歌って、ドイツ語、英語、ポルトガル語でめちゃくちゃ歌っています。これは、気分が落ち込んだ後に真っ白なスクリーンがほしくなるようなものです。突然即興をはじめ、そして新しいものを作り出し、そしてスクリーンに曲を構築していきます。

チームとソロのどちらが好きですか?

私は自分のコミュニティの中で仕事をすることが好きです。これから友人であるラッパーのセコウとの歌詞制作が始まります。また、画像やアートワークは友人に任せています。写真家 ジョナサン・ヘイヤー のイメージの世界感を作ってくれます。ベニー・ゴールドシュタインは美術を担当しますが、製作の最初の段階から入り、協力して進めていきます。

最初からですか?

はい、早い段階で曲を聞きます。

“音楽は美的であって、どの曲もデザイン性を兼ね備えています”

マークは無駄なものは持たないので、ほとんどのモノはUSMの棚に収まります。

あなたにとって、音楽とビジュアルの両方のプロセスが同時に動くことは重要ですか?

両方が一緒に成長するものだと私は考えています。私は広告業界出身なので分かるのですが、商品とパッケージは一緒に考案しなくてはなりません。

広告業界にいらしたのですね。音楽界に入ろうと心を決めたのはいつですか?

突然でしたね。当時の上司に、自分の仕事を半分にしてもらえないかと交渉したんです。しかし答えは0か100でした。うまくいかなくたって、またチャンスは巡ってくるでしょう。なので、妥協するのではなく、一回のチャンスに全てを賭けたのです。

そしてうまくいったのですね。スイスでは金賞を受賞したミュージシャンであり、Voice of Switzerlandでは2シーズン連続で入賞しています。生活は、この成功で変わりましたか?

私の成功は特権のようなものです。この成功により、家族と過ごす時間とファンと過ごす時間を調整しなくてはならないことがわかりました。娘とサーカスを見に行くのも簡単ではありません。これが、家にいて意識的に家族のために時間を割く理由でもあります。

旅行にも頻繁に行かれますか?

仕事ではニューヨークによく行きますよ。作詞チームと一緒に仕事をしていますので。ニューヨークは強いエネルギーを持っていて、気に入っています。それと、川沿いにあるのがいいですね。私はウォーターフロントが好きなんです。

ニューヨークのお気に入りのお土産を教えてください?

いつも素晴らしい曲を持ち帰ります、それが私の一番のお土産ですよ。そういえば、私のお気に入りの蝶ネクタイの一つは、ベッドフォード通りで買ったものです。ちょうど昨夜、それを身につけていました。

スイスでは、蝶ネクタイを身に着ける人として有名ですね。コレクションはお持ちですか?

少ないですが、こまごまとしたコレクションです。流行のアクセサリーを使うのはすごくエキサイティングですよね。しかし、私はそれほど頻繁には使用しません。今は、眼鏡と髪型が私のスタイルとなっています。

音楽と家具にまつわるお話をありがとうございました!

このストーリーは国際的なインタビュー雑誌Freunde von Freunden.によって制作されたものです。 USM についてさらに知りたい方はこちら